猫物語

     

猫物語のネタあれこれ


★ユーモア系からフシギ系まで
 
物語とひと口に言っても、ユーモア系、ミステリー系、フシギ系と、作品は様々ですね。(以下敬称略)
 
海外現代小説の中で、このヒトを抜きに物語は語れないと(勝手に)思っているのが、無類の猫好き作家ポール・ギャレコ。ファンタジー系の作風が多い作家ですが、奇想天外な着想に脱帽しちゃうのが、猫物語『猫語の教科書』(灰島かり訳、ちくま文庫)。
 
ある日、意味不明な記号が羅列された原稿が、編集者の元に届きます。相談を受けたポール・ギャレコは、その原稿を解読してびっくり仰天。
 
だって、それは、猫による猫のための、「快適な生活を確保するために、人間をどう躾けるか?」というマニュアルだったから。ある家の猫が、タイプライターを使って作った、不思議な原稿だったのです……。
 
とまあ、よくぞこんな内容を考えついたなあとひたすら感心させられます。原題『The Silent Miaow』 も言い得て妙。文庫カバー写真も超キュート♪ 猫派の必読書たる、猫の物語です。
 
猫物語ではないけれど、ミステリー小説『優しく愛して』(ニッキ・フレンチ著、務台夏子訳、角川文庫)のように、ちょこっと作中に猫が登場する小説も結構ありますね。
 
同書では、猫はほんの脇役として登場するだけですが、女性主人公がじわじわと心理的に追い詰められている中で、地味ながらも猫が事件の一端に関わっています。
 
ペットの犬と猫がストーリー展開に小粋な味わいをプラスしているミステリー小説が『黒い蘭の追憶』(カーリーン・トンプスン著、田邊亜木訳、ハヤカワ・ミステリ)。人懐っこい犬と孤高の片目猫という設定は、この作者も動物好きなんだろうなあと思わせます。
 
ミステリー小説で活躍する猫たちがいる一方で、怪しげでナゾめいた不思議な生き物として、猫が描かれることもありますね。
 
英米でロングセラーを記録した“猫アンソロジーのスタンダート”とさえ言われる『魔法の猫』(原題:Magicats!)は、フシギ系猫物語の代表かもしれません。
 
この『魔法の猫』(スティーヴン・キング他著、深町眞理子他訳、扶桑社文庫)、執筆陣はスティーブン・キング、フリッツ・ライバーなど、SFやファンタジーの作家が中心となっている猫物語集。
 
猫の魅力を余すところなく描いた1冊と言うより、話によってはナゾめいた猫の残虐性がチラリと描かれていたりして、愛猫家としては「異議アリ!」と言いたい一幕もありますが、バラエティに富んだ内容ではあります。
 
原題、Magicのcとcatのcを重ね合わせたところが面白いですね。日本語版は、深町眞理子、白石朗、朝倉久志、伊藤典夫ら、訳者陣の顔ぶれが豪華です。
 
 
★多彩なお猫物語
 
フシギ系とはあくまでも小説でのお話で、ノンフィクション・エッセイでは、猫モノも感動を呼びます。例えば、村松友視の『アブサン物語』(河出書房新社)。コレはいけません、涙なくして読めないから……。
 
21年連れ添った人生の伴侶猫アブサンに対する愛情と思いやりが溢れていて、動物好きであれば、タオルぐっしょり、ティッシュてんこ盛り、鼻ズル状態になること請け合いです。アブサンの写真を、あえて1枚しか掲載していない点が立派。
 
猫物語の中で、海外ミステリーと言えば、リリアン・J・ブラウンのシャム猫ココ・シリーズが有名ですね。ハヤカワ・ミステリー文庫から既に30冊近い訳本が出ていて、訳は全て羽田詩津子。
 
この方の訳は巧くて大好きですが、原作はどちらかと言うとミステリー色が少なく、ミステリー小説ファンとしてはちょっと物足りない感じ。ミステリー小説と言うよりは、猫が登場する物語として楽しめます。
 
小説ではありませんが、『嘘猫』(浅暮三文著、光文社文庫)は著者の鋭い洞察力を感じさせる秀作です。
 
上京して来た新人コピーライター(著者)の家にある日、野良の母猫が登場。その猫は、5匹の子猫を生んで去ってゆきます。孤独な都会の生活の中で、子猫たちとにぎにぎしく暮らしながら、徐々に東京の生活に慣れていく著者。そして、仕事が軌道に乗り忙殺されるようになった時、猫はいなくなった……。
 
「猫は一体、どこから来たのか。何をしに来たのか」という著者の問いには、似た思いをした経験があるだけに、ドキリとさせられるものがあります。
 
 
★猫はどこからやって来る?
 
昔昔、我が家のちっちゃな庭に、いつの間にやら1匹のメス猫がやって来ました。とても人懐っこくて、それまで猫に馴染みのなかった小学生の私の友となりました。
 
豪雨に見舞われたある夏の日、ズブ濡れになって震える彼女を見かね、母の許しを得て、彼女を玄関先へ入れました。家猫だったらしい彼女は、当然の如く、家の中へ入って来てしまい、その日から家族の一員となりました。
 
それから平穏な3年半が流れ、初冬のある日、彼女はひっそりと姿を消しました。
 
今でも、最後に彼女を見た日のことをはっきりと覚えています。まるで別れの挨拶をするかのように、我が家の私道に佇んで、登校する私を見送っていた姿を。
 
彼女と別れて以来、何度も心に浮かんだ疑問、そして、今もふと思うのは、「彼女はどこから来たのだろう?」ということ。あれからン十年(!)の月日が流れましたが、未だに解けないナゾです。
 
           ☆     ☆     ☆
 
閑話休題、種類を問わず動物が登場する小説としては、『動物たちは共犯者 アメリカ探偵作家クラブ傑作編(13)』(サラ・パレツキー編、ハヤカワ・ミステリ文庫)が面白かったですね。
 
大の犬好き作家パレツキーが、動物が登場する短編15編を厳選した、動物好きのためのアンソロジーです。絶版になってしまい、ヒジョーに残念……。復活を密かに期待しています。
 
                  
 
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